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 投稿者:ながねぎ  投稿日:2017年 4月20日(木)21時22分13秒
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定価本体1,850円+税発売日2014/11/13判型/頁4-6/482頁ISBN9784093863889
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〈 書籍の内容 〉第6回山田風太郎賞受賞作!
【選考委員から圧倒的評価!】
★文句なしの最高得点を入れた。真似したくても真似できない。
――夢枕獏さん
★試みが図抜けていたことは、疑いようがない。
――京極夏彦さん
★自分もこの作品を一番に推した。
――奥泉光さん
★こんな優れた作家の存在を今まで知らなかった。受賞は当然であろう。
――筒井康隆さん
(「小説野性時代」2015年12月号より)

 かつての売れっ子作家・津田伸一は、無店舗型性風俗店「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして地方都市で暮らしている。街で古書店を営んでいた老人の訃報が届き、形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千万円を超える現金が詰め込まれていた。
「あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ」
 転がりこんだ大金に歓喜したのも束の間、思いもよらぬ事実が判明する。偽札の動向には、一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きる騒ぎに必ず関わっているという裏社会の“あのひと"も目を光らせていた。
〈 編集者からのおすすめ情報 〉家族の失踪をはじめ、謎が謎を呼ぶドキドキの展開にも惹きつけられますが、それとともに、著者ならではのユーモアと遊び心あふれる語り、思わず吹き出してしまうコミカルな会話のやりとりなどを存分に堪能できます。上下巻という(ある意味)仰々しい体裁に身構える必要もまったくありません。とりあえず物語をお愉しみいただきたい。読み進むうちに思いもかけない小説の世界に引き込まれます。ケタ違いのおもしろさにみちた、文字通り佐藤正午氏の最高傑作です。自信を持ってお薦めします。
〈 電子版情報 〉鳩の撃退法 上
Jp-e : 093863880000d0000000
誰もが読みたかった著者5年ぶりの長編小説。

かつての賞作家・津田伸一は、いまはとある地方都市で無店舗型性風俗店「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして暮らしている。ある日、明け方のドーナツショップで顔見知りになった男が、その日の夜を境に妻と幼い娘ともども失踪するという事件が起きる。
家族三人の「神隠し」事件から一年と二ヶ月が過ぎた頃、以前から親しくしていた古書店の店主・房州老人の訃報とともに、津田伸一のもとへ形見のキャリーバッグが届けられた。老人が生前、持ち歩いていた愛用の鞄はしっかり鍵がかかっていて、重みもある。なんとか開錠した津田伸一の目に飛びこんできたのは、数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千枚を超える一万円札の山だった。
この老人からの遺産で、残りの人生を楽しく生きられると思ったのも束の間、行きつけの理髪店で使った最初の一枚が偽札であったことが判明する。女優倶楽部の社長によれば、偽札の出所を追っているのは警察ばかりでなく、一家三人が失踪した事件も含めて街で起きた事件には必ず関わっている裏社会の“あのひと"も目を光らせているという。まさか手もとの一万円も偽札なのか。白黒つけたい誘惑に勝てず、津田伸一は駅の券売機に紙幣を滑り込ませてみるが……。
 
 

ツチノコミツケタ

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2017年 3月15日(水)20時50分3秒
返信・引用
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単行本  新刊 これから出る本
月の満ち欠け
三人の男と一人の少女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく.この数奇なる愛の軌跡よ!

月の満ち欠け


著者 佐藤 正午 著
ジャンル 書籍 > 単行本 > 文学
日本十進分類 > 文学
刊行日 2017/04/05
ISBN 9784000014083
Cコード 0093
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 336頁
定価 本体1,600円+税
在庫 未刊・予約受付中
この本の内容
目次
著者略歴
あたしは,月のように死んで,生まれ変わる――目の前にいる,この七歳の娘が,いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく.この数奇なる愛の軌跡よ! 新たな代表作の誕生は,円熟の境に達した畢竟の書き下ろし.さまよえる魂の物語は戦慄と落涙,衝撃のラストへ.



この娘が、
いまは亡き我が子?
いまは亡き妻?
いまは亡き恋人?

そうでないなら、
 

月の満ち欠け

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2017年 1月 5日(木)21時45分54秒
返信・引用
  <h1 class="titleType1" style="margin: 0px 0px 30px; padding: 0px; border: 0px; font-family: -webkit-standard; line-height: inherit; font-size: 30px; vertical-align: baseline; color: rgb(102, 102, 102); -webkit-text-size-adjust: auto;"> 休載のお知らせ (2017年1月掲載)</h1>

 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。
 さて。
 ただいま、4月に岩波書店から刊行される書き下ろし小説『月の満ち欠け』の執筆に鋭意取り組んでいるところです。
  そのため、今月更新が予定されていた「2017年 冬」の回は、お休みになります。
 迎える4月、この『小説家の四季』「2017年 春」の回と、『月の満ち欠け』でお会いしましょう。

  2017年1月  佐藤正午

 

熟柿

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2016年11月16日(水)20時04分52秒
返信・引用
  野性時代
野性時代の内容紹介
小説 野性時代2016年12月号 Vol.157

第7回 山田風太郎賞

力作揃いの候補作の中から、今年の山田風太郎賞を受賞したのは……。
受賞の言葉と選評、そして過去の受賞者六名による豪華競作を一挙掲載!
発表 受賞作 塩田武士『罪の声』
選評 奥泉 光 京極夏彦 筒井康隆 林 真理子 夢枕 獏
歴代受賞者競作
伊東 潤 雑説扱い難く候
荻原 浩 ダブルトラブルギャンブル
貴志祐介 フーグ
窪 美澄 1DKとメロンパン
佐藤正午 熟柿
高野和明 晩夏の潜像
集中掲載

神永 学 心霊探偵八雲 ANOTHER FILES File 1 劇場の亡霊 後篇
表紙&グラビア

松山ケンイチ
close up

映画『聖の青春』公開記念対談 大崎善生×森 義隆(映画監督)
映画『アズミ・ハルコは行方不明』公開記念対談 山内マリコ×蒼井 優
連載小説
赤川次郎 鼠、恋文を代筆する 後篇
朝井まかて 悪玉伝
浅田次郎 長く高い壁 The Great Wall
あさのあつこ 薫風ただなか 最終回
安部龍太郎 平城京
池上永一 ヒストリア 最終回
恩田 陸 ドミノⅡ
垣根涼介 信長の原理
桜庭一樹 敗戦国のじきる
馳 星周 暗手 最終回
畑野智美 水槽の中
葉室 麟 青嵐せいらんの坂
深町秋生 地獄の犬たち
森村誠一 深海の童話
山内マリコ シチューは冷めません
山本一力 長兵衛天眼帳
柚月裕子 凶犬の眼
小説 野性時代12月号(11月10日発売)
最新号絶賛発売中!
野性時代のニュース

[ 2016.03.10 ]
第7回野性時代フロンティア文学賞選考結果のお知らせ
[ 2015.04.09 ]
「小説 野性時代」6月号に東野圭吾『ラプラスの魔女』のスピンオフ小説掲載決定!
[ 2015.03.12 ]
第6回野性時代フロンティア文学賞受賞作決定
[ 2014.03.12 ]
第5回野性時代フロンティア文学賞受賞作決定
[ 2014.01.25 ]
「小説 野性時代」2月号、間違いのお詫びと訂正
[ 2014.01.16 ]
11月号「ドールズ 夜の誘い」についてのお詫び
[ 2013.07.12 ]
「小説 野性時代」8月号、間違いのお詫びと訂正
 

鳥里さんのページから

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2016年 9月20日(火)13時28分27秒
返信・引用
  佐藤正午の話

98/07/02

  前述した「日機装」のPR誌「BRIGHT」を編集者の方が送ってくださった。  佐藤さんの書いたエッセイは「作家の四季」という題で、巻末に二ページ掲載されていた。その中に鳥里のURLが書かれてあり、これを読んでアクセスしてくれた皆さんに(佐藤さんは「そんな暇な物好き」と言っていたが)感謝します。
 今から二十年ほど前、佐藤さんとぼくは同じ大学に在籍し同じアパートに住んでいた。時間の都合のつかない佐藤さんの代わりに、北二十四条にある「鳥雅」というお店でアルバイトしたことがぼくが焼鳥屋になったきっかけだ。その後二人は見事に大学を中退し、佐藤さんは実家のある佐世保に帰り小説を書き出し、ぼくはアルバイトを続け焼鳥屋になったのだ。

 そのアパート、といってもトイレ玄関共同、風呂やシャワーは無しというものだったが、そのアパートの彼の部屋でいつものように麻雀をしていたときのことだった。麻雀も一段落し、彼がいれてくれたインスタントコーヒーをみんなで飲みながら、とりとめのない話をしていた。

 誰かがふと佐藤さんの首の横にある古い傷跡に気づいて、
「佐藤さん、その傷どうしたの?」と訊ねた。
 彼は首を少し傾げ、顎を小刻みに震わせながらコーヒーをひと口すすり、これはコーヒーを飲むときの彼の癖なのだが、ぽつりぽつり話し始めた。

ナイフ投げの男  ぼくがまだ小学生だった頃、ぼくの母は佐世保でアメリカ兵相手の小さなスナックをしていた。
 ある日、母のスナックに、たまたま町で興行していたサーカスのナイフ投げをしていた男がやってきた。
 店に入ったときからその男はひどく悪酔いしているように見えた。
「あんたは随分酔っているみたいだね。はやく帰った方がいいよ」と母は言った。
「俺は少しも酔ってないぜ」とナイフ投げの男は気色ばんだ。
「証拠を見せてやる」と言うと、ナイフ投げの男は右のポケットからナイフを取りだし、カウンターを挟んで立っていた母をめがけてナイフを投げようとした。その日たまたま店にいたぼくは、母をかばおうと、咄嗟に二人の間に入った。その瞬間、首筋が焼けるように熱くなって・・・・

 この彼の昔話はよく考えればあまりにも出来過ぎた話であったのだが、彼の語り口とその鮮烈なイメージに、その場にいた友人達は納得させられてしまっのだ。
 数年後、彼が佐世保に戻って、ぼくが何かの用事で彼の実家に電話を掛けるまで、ぼくはその白日夢のような彼の話を、何の抵抗もなく信じていたのだった。
 このように小説家というものは大嘘つきである。エッセイとはいえ、夜が明けかけた商店街のアーケードで警察官を質の良くない若者と勘違いして、うろたえて自転車で転んだというのは嘘に違いないと思う。佐藤正午は嘘つきであるが、質の良い嘘をつく。(褒め過ぎかな?)

ちはるさん、メールありがとうございました。さっそく返事を出したのですが、「そんなメールサーバーは知らないよ」というメッセージと共に戻ってきてしまいました。どうしたんだろう?


モバイル
 

(無題)

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2016年 9月20日(火)13時06分46秒
返信・引用
  26回 『あなたに有利な証拠として』池上氏


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■佐藤正午『身の上話』(光文社)

<書籍>




「私の妻の郷里は、私たちがいま暮らしている都会から、新幹線でおよそ一時間行ったところにあります。妻はその町で二十三歳になるまで、これといって特筆することもない人生を送りました。」

minouebanasi200.jpg
 佐藤正午の『身の上話』の書き出しである。夫である「私」が、たんたんと妻(旧姓古川ミチル)の身の上話を語っていく。“初恋をふくめた少女時代の恋はぜんぶ、とうぜんながら初体験も故郷の町ですませたことになります”と、妻の恋愛話にも感情をあらわさずに冷静に述べていくし、人生の転機になる二十三歳の時の男性との体験も驚くほどクールに語っていく。

 どういう体験かというと、書店勤めをしていた古川ミチルが東京へ出奔した事件である。“妻には当時、つきあっている男がいました。将来を誓いあっているというほどではなくても、もしかしたら結婚することになるかもしれない、とはときどき想像してみるくらいの相手がいて、かれこれ一年以上も続いていた”のに、東京の出版社の営業マンの豊増と不倫をして、同僚たちの宝くじを買いがてら、そのまま豊増のあとをついて、東京行きの飛行機にのってしまう。


 こうしてミチルの東京での生活がはじまる。豊増がいて、竹井という幼なじみがいて、さらにその周辺に女性たちがいる。その東京での変転していく生活を、「私」は、妻からきいた話と、当時の関係者たちの心の動きを憶測しながら静かに語っていく。

 というと、まるでたんたんと人生が流れていくような、ある種小津安二郎的な静かな人生ドラマを想像するかもしれないが、逆である。まったく逆。不安と恐怖と狂気と焦燥が行間からあふれてくるジェットコースター的なサスペンスになっていく。ただし、語り口はあくまでも落ち着いているから、派手でおどろおどろしい響きはない。

 帯には「この主人公の流され方に、自分は違うと言い切れますか」「人間・人生の不可思議をとことん突きつめる、著者の新たな代表作の誕生!」とあり、カヴァーのどこにもミステリのミの字もないけれど、これはまぎれもなくミステリである。

cupplez200.jpg いまさら述べるまでもないが、佐藤正午の語りは名人級である。いまの日本の文壇で、もっとも語りのうまい作家は誰かときかれたら、僕は躊躇なく佐藤正午をあげる。今回も例外ではなく、「私」はなぜ妻の身の上話をするのか、いったいだれに向かって語っているのか、そしてそもそも「私」とは誰であるのかが終盤になって判明する。この「私」の劇的な登場がなかなか面白い。

 これは何も今回がはじめてではない。この「私」の劇的な登場は、噂話をあつめた見事な連作『カップルズ』(集英社文庫)でも、たぐいまれな恋愛小説『五』(角川書店)でもおこなわれていた。実に巧みに制御されて、どのように読者に驚きを与えるのかを正確に計測しているのである。それはこの『身の上話』でも同じだ。

 前作の『アンダーリポート』(集英社。ものすごい傑作!)のときも、ミステリにおける古典的なトリックを用いつつ、第一章が、読み終えたあとにもう一度もどって読まなくてはいけない最終章の役割を担っていた。第一章であると同時に最終章でもあるという離れ業をやったけれど、ここでも叙述のもつスリリングな側面を最後まで維持して堪能させてくれる。

 圧倒的なストーリーテリング、個性的で怖いキャラクター、読者の予想を裏切るストーリー展開と細かいツイスト、そして人間たちを結びつける不可思議な縁というテーマがあざやかだ。小説を読む喜びをとことん味わわせてくれる秀作である。




 

(無題)

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2016年 9月20日(火)13時02分41秒
返信・引用
  /ラジオ図書館『人参倶楽部』原作:佐藤正午 脚色:雁田昇 出演:小野武彦 三好美智子 樋浦勉 国府田マリ子 他(1991年7月14日放送)


 

(無題)

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2016年 9月20日(火)12時57分2秒
返信・引用
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『アンダーリポート』佐藤正午

定価:1,600円(本体)+税 12月14日発売


RENZABURO特別限定 『アンダーリポート』発刊記念!
佐藤正午氏インタビュー in 佐世保

「長距離バスでたまたま隣り合わせた二人の女が、それぞれの殺人を請け負う話」

これが、『アンダーリポート』に関する打ち合わせの、佐藤正午さんの最初の一言だった。それだけの接点。ただ一度きりの。------なんておもしろそうなのだろう。ストーリー回しの鮮やかさはこれまでの作品で実証済み、その力量と奥深さは担当編集としていやというほど実感している。展開を想像し、胸を熱くした2000年夏。まさか、本の完成まで7年を待つことになるとは思いもせず------。

「『5』が出たときに、本の帯に“7年ぶり”って書いてあったんですね。それで“この人、7年間、何やってたの?”という言われ方が耳に入ってきたんですけど、これを書いていたんだ、ということをまず言っておきたかった。21世紀に入って7年間のほとんど、この作品にかかわってきたわけだから」

佐藤正午氏は、83年『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞、来年は作家デビュー25周年。07年は1月に『5』(角川書店)、そして年末にこの『アンダーリポート』と長編2冊を発刊。「1年に2冊も長編小説を出せるなんて・・・」と、遅筆を自覚してか戸惑いを見せる。

着想から刊行まで足かけ7年を費やした本作の主人公は、地方検察庁の検察事務官。15年前に起きた殺人事件の第一発見者でもある。事件当時幼児だった被害者の娘の訪問が、封印していた彼の古い記憶を揺さぶり始め、物語は動き出す-------。

「『リボルバー』などに兆しはあるのですが、『Y』ではっきりとエンターテインメントをやっていこうと決めたと思うんです。こんなのあり得ないよっていう話を作ることにこだわりだしたというか。だいたい『5』にしても、“手と手が合わさってオレンジ色の光が----”って、もうそこまで読んで、大の大人が“そんなの読めないよ”ってなりそうな気がするんですけど、読んでくださった方はいっぱいいたし。うそを読ませるうそにしたいということです。どういう話にするか、というのは、また各々のきっかけがあるんですけど、『アンダーリポート』の場合は、ヒッチコックの交換殺人の話を、今の日本でやったらどういうふうになるかというのが発想の最初です。ストーリーとは別に小説の書き方というのは、また別にあるんですが、その書き方でいうと、書き出しを決めたときに最後は決まっていたというところがあります。

ヒッチコックの作品のように時間を追って現在進行形で、二人が出会って計画をたてて、二つの殺人をそれぞれにやるっていうそういう順番で書いたほうが面白いのは面白いんですね。面白いんだけど、そうはしたくなかった。第一に、それはすでに何人もの別の作家が書いている。第二に、それをやると、ラストは必ず失敗するという話にならざるを得ないからです」

まったく成功していないか、見つかっていないか--------。本書のモチーフである交換殺人について、登場人物のひとりにこう言わせている。荒唐無稽な世界にどこまで読者を引っ張れるか。本作は“荒唐無稽”という言葉が読み手の頭から消えるほど、それに成功している。

「今回は、主人公の男性以外、セリフをしゃべる人間はすべて女性にしようと。刑事にもしゃべらせていません。特にこの縛りに理由はないんですが(笑)、自分のモチベーションとしてそういう小説にしてみたかった。それと、人物描写だけではなくて、あえて突き放すというか、細かく説明しない、ということも」

どうしてこうなったのか、なぜ彼女は行動したのか。読者の中に次々に浮かび上がるいくつかの疑問に、あえて答えを出さない。巧妙な輪郭だけを作り、内側は自分で埋めて楽しんでください、とでもいうような。その不透明な部分を、妄想なり想像力で満たしていくのも本作の醍醐味のひとつか。「細かい部分を気にするところ、これだけはデビュー当時から変わらないかな」という言葉にあるように、編集と校正者しか目にすることがほとんどないゲラ(校正刷り)で、氏は「トル(削除)→ママ(そのままで)→トル(削除)」など、いくつもの逡巡を見せる。もしかしたら、どちらでも変わらないのでは・・・と素人目には見えるかもしれない細かな取捨選択の数々。

「文章でも構成でも、ほかの作家の作品を読むときに、細かいことがいちいち気になって(笑)。意識している作家もいないことはありませんが、作品を読んでいると悔しかったりするんです。どうしてこういう文章なんだろう、自分ならこうは書かない、とか。

『Y』を書いたときに、周囲の反応が“なんで?”という感じがあったんですよ。すばる出身の佐藤正午がなんで? という。『Y』『ジャンプ』『5』『アンダーリポート』、そして、来年約一年かけてとりかかる長編を含めて、エンターテインメント系が5冊になります。何か自分でも落ち着いた感じがしますね」

ニセ札作り、殺し屋、やくざ、クーデター・・・。「実際、書かないかもしれないけど」と、氏の口から今後書きたいものとして出てきたものだ。「過去のエンターテインメントの小説家に敬意を表しつつ」と断りながら、「誰もが書いていることなんですよ、結局。それを自分なりに書き方を変えるだけなんですけど」と返したまなざしに、ふと自信が見えたような気がした。

佐藤さんは基本的に手のかからない方です。原稿もきっちりと送ってくださるし、添えられた手書きのお手紙も折り目正しい。おしゃべりなわけでもないけれど、寡黙でもなく、おおむね温厚でいらっしゃいます。故郷であり現在も住み続けている佐世保でお会いするときは、何を話したわけでもないのに、いつのまにか7,8時間が経過し、心地よい後味のまま長崎を後にするのが常。「これって仕事だったんだよね、飲み会ではなく」といつも帰京の機内で思うのでした。
もちろん、テーマ、構成の打ち合わせにも積極的で、編集として拙い(あるいは的外れな?)指摘や提案にも真摯に耳を傾けてくださいます。が、それはいつもいつも裏切られるのです、いい意味で。今回の『アンダーリポート』でも、当初のタイトルからガラリと変わりましたし、長距離バスなんて出てきません。そのほか、細かいことを含めて様々なことが想定外で、そして想像以上で。文章上、構成上の取捨選択は、著者の手の入ったゲラに痕跡を留めるのみ。担当である以上に、デビューからの一ファンとしては、ゲラは佐藤正午の頭の中身を垣間見られる唯一のもので、非常に興味深くもあるのですが。
今後も、そのオリジナルな思考経路、こだわりの取捨選択を見せていただけるよう、次なる作品を心待ちにしております。できれば、なるべく早く集英社に戻ってきてくださいね、佐藤さん!

(編集K)



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(無題)

 投稿者:ながねぎ  投稿日:2016年 9月20日(火)12時56分1秒
返信・引用
  本◆北海道を知る100冊 北海道人トップページへ

<100>佐藤正午 著 『象を洗う』

『象を洗う』佐藤正午 著



『象を洗う』
佐藤正午 著
岩波書店 刊
2001年12月 発行
本体 1600円
ISBN4-00-023702-0



◎丁寧に象を洗い続ける作家の、洒脱な一文で100冊は終わる

 北海道を知る100冊が、ようやく100冊目を迎えた。
 これまで北海道について書かれた本、北海道にゆかりのある人が書いた本を紹介し続けてきたが、100冊目をどの本で締めるか、ずいぶん悩んだ。
 なにしろ、三浦綾子も、原田康子も、渡辺淳一も、札幌在住の藤堂志津子や志水辰夫も、直木賞を受賞した京極夏彦も、とりあげていない、のである。積み残した本もたくさんある。悩むこと三日、書棚にあった佐藤正午のエッセイ集に手をのばした。

 1983年にすばる文学賞を受賞した『永遠の1/2』で小説家デビューした佐藤正午は、1974年から79年までの約5年半、北海道大学で学生生活を送った。札幌の5年半は、ひたすら本を読むことに費やされた。彼はそのころのことを、本書のなかの「学生時代」という一文に書いている。
 「次々に手に取る本が新鮮で、衝撃的で、むさぼるように読み続ける、そんな幸福な若い時代は(そうしたくても)二度と取り戻せない」
 佐藤正午のエッセイは、職人の技がきいている。
 ユーモアとペーソスに富んだ語り口のなかから、突然胸がつまるような一文が飛び出してくる。
 本と自分との幸福な時代は過ぎ、今は余生にすぎないのか、と中年から老境へと向かう多くの読書人たちは自問するのである。

 書名の「象を洗う」とは、「小説を書く」という行為を指す、彼が作った隠語である。
 世の中には、雑な洗い方をした象が氾濫し、しかも売れている。この風潮をチクリと揶揄しながら、佐藤は、まちがいなく、丁寧に象を洗い続けている。



バックナンバー

100 佐藤正午 著
『象を洗う』
099 永倉新八 著
『新撰組顛末記』
098 村上 龍 著
『希望の国のエクソダス』
097 石川啄木 著
『啄木歌集』
096 小林英樹 著
『色彩浴』
095 三國清三 著
『料理の哲学』
094 斉藤征義 著
『宇宙船売却』
093 きらん出版会 編・刊
『きらん 魅惑の室蘭・胆振ガイド』
092 井内佳津恵 著
『田上義也と札幌モダニズム』
091 村上春樹 著
『羊をめぐる冒険』上・下
090 『faura』
089 新穂栄蔵 著
『ストーブ博物館』
088 司馬遼太郎 著
『街道をゆく38 オホーツク街道』
087 『北海道かるた 方言編』
086 池澤夏樹 著
『静かな大地』
085 小檜山博 著
『出刃』
084 大崎善生 著
『聖の青春』
083 『女性史研究ほっかいどう』
082 松原 仁 著
『鉄腕アトムは実現できるか?』
081 沢木耕太郎 著
『沢木耕太郎ノンフィクション4 オン・ザ・ボーダー』


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 投稿者:ながねぎ  投稿日:2016年 9月20日(火)12時51分17秒
返信・引用
  現在までのあらまし

個人データ


現在までのあらまし

1955.8.25 長崎県佐世保市に生まれる。
本名 佐藤謙隆
幼稚園、小学校、中学校時代をひとことで要約すれば「転校生」 だった。高校時代を要約すれば「勉強のできる生徒」だったと 思う。大学時代を要約すれば「なまけもの」ということになる だろう。
1979.秋 大学を中退して実家のある佐世保に戻り、翌年から長篇小説を 書き始めた。小説を書きながらホテルのフロント係とか学習塾 の先生とかもやった。裁判所の職員の試験も受けたし、図書館 の司書の資格も取った。ほかにも職探しにいろいろと走り回っ たけどもうあんまり思い出したくない。
1983.春 長篇小説を書き上げて、佐藤正午のペンネームですばる文学賞に 応募。
ペンネームの由来 市内の消防署が正午の時報代わりに鳴らすサ イレンを聞いて、小説書きに取りかかるのがアマチュア時代の習 慣だった。正午というペンネームはそこから思いついた。
1983.秋 すばる文学賞受賞
賞金の50万円を貰った。翌年の1月に『永遠の1/2』のタイトル で長篇小説が本になり、印税も貰えてかなり贅沢ができるように なった。でもその期間は長続きしなかった。その期間の贅沢な生 活をありのままに、ではなくて小説に仕立てたのが『放蕩記』、 その後編が『ビコーズ』ということになる。(作品リスト参照)
1984 こうして小説家佐藤正午が誕生し、今日に至る。
1998.秋 佐藤正午のホームページ開設。
あっという間の15年。万年筆でこつこつと応募原稿を書いていた 頃はこんなことになるとは思いもかけなかった。 ちなみに『永遠の1/2』を書くのに用いたパイロットの万年筆と、 700枚近い原稿は現在、なんと佐世保市立図書館の佐藤正午コーナーに陳列してあります。

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個人データ

アドレスBXC00372@nifty.ne.jp年齢47身長175~180cmの間体重60~65の間胸囲うすい髪の色黒腕相撲弱い視力辞書を引くときは老眼鏡をかける血液型AB動物占いトラだったと思う、どうでもいいけど足のサイズ25.5~26cmの間足首細いとよく言われる、どうでもいいけど結婚歴なし運転免許あり車なし自転車2台貯金なし好きな食物ピザ、ハンバーガー、フライドチキン嫌いな物肉のあぶら身得意な料理パスタ愛用品カタログハウスの通販で買ったピンセット、爪切り、あと電動式歯ブラシ女性関係わがまま趣味特にない電話に出るときの声寝てたんですかとよく言われるよくテレビで見るスポーツ野球、競輪、アメリカンフットボールほとんど見ないスポーツ相撲、プロレス色紙に書く言葉刻刻満開友人お金を貸してる人を友人と呼ぶなら、何人かいる筆記用具ワープロ(シャープの書院)
パソコン(マッキントッシュのPowerBook)起床午前11時前後就寝午前3時前後小説を書く時間主に昼間欠かせない飲み物緑茶、コーヒー、紅茶要らない飲み物缶コーヒー自信作『取り扱い注意』(作品リスト参照)いちばん売れた本『永遠の1/2』売れなかった本『取り扱い注意』よく聞くCD女性が英語で歌っている曲やめられない物タバコタバコの銘柄普段はハイライト、仕事中はもっと軽いタバコ酒の飲み方水割り酒量ほどほど佐藤正午のサイン縦書きバージョン、横書きバージョン、斜書きバージョン、など何種類かある。あとサインに添える印鑑も何種類かある。ちなみに実印を押したこともある。集めている物領収書(rainさんと同じです)好きな果物りんご、いちご、すいか、ぶどう、キーウィ好きな季節夏好きな髪型女性のショートヘア好きな体位これは冗談ですよくされる質問どうして結婚しないんですか?結婚しない理由重婚は罪だから
 

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